裏打ちという作業は表具においては一番はじめの一歩で、最も注意をしなければいけません。作品の材質、墨・顔料の種類・量など、1点1点違います。
繁忙期には1日400点もの作品、年間6万点以上の裏打ちをします。
作品の素材分け
染め紙・加工紙などは、養生の仕方などが変わり別工程での作業になります。
作品チェック
作品の表面・裏面の汚れやシワなど確認します。
サイズ分け
使用する鳥の子紙のサイズ毎に作品を仕分けます。
水を噴霧
作品の裏に水を噴霧します。
シワを伸ばす
作品を裏から、刷毛を使いシワにならないように1点1点伸ばします。
裏打
糊付けした鳥の子紙を、一方から刷毛で撫でながら作品に貼り付けていきます。
乾燥
仮張りに貼り込み乾燥させます。
鳥の子裏打
新鳥の子紙
額装などの表具では、純白な機械漉の洋紙で裏打ちをしています。紙の厚みも色々あり、当社では中肉・薄口・極薄と使い分けております。また、肌色鳥の子紙や色鳥の子紙を使用することもあります。
和紙裏打
作品の状況、用途により、使用する手漉き和紙を選びます。刺繍のように裏がデコボコしている場合、丈夫な手漉き和紙を使い、裏から刷毛で叩いてつけます。
機械漉きのロール和紙も種類が多く、古代色に染めたものもあり、用途により使い分けています。
掛軸用手漉き和紙裏打
掛軸は巻くことを前提としていますので、手漉きの薄美濃和紙を使用します。色々な色に染めた手漉き和紙もあり、修復などで使用することもあります。
松永 和也