衝立について
~衝立の用途・種類~
【用途】
用途は特に定められたものはありません。
使用する人の好みに応じて色々な場所で使われます。
一般的には、建物の玄関先や装飾を兼ねて部屋の一部分を目隠しするなどです。
【種類】
■衝立
①骨組(紙または裂貼部)に外枠腰板台を付けたもの
②外枠を付けずに骨組みを直接台足に付けたもの
(②を春日式衝立・角切衝立とも言います)
■硯屏
色紙サイズや小さな作品を入れるため、衝立を小型化したもので、作品の出し入れが容易なもの、
収納の利便性の高いものなどがあります。
<寸法>
方・寸法など決まった定めはありません。好みや需要に応じたもので、
作者の創意工夫・使用目的・部屋の構造・使用場所に適したものが求められます。
当社での寸法を掲載いたしますので、ご参考になさってください。
【名称】
■椽(フチ)
塗椽・生地椽などがあります。
木地材質は襖椽と同様にして色々とあります。形や角や丸などがあります。
■台足(ダイアシ)
椽と同様、塗椽・生地椽などがあります。
木地材質は襖椽と同様にして色々とあります。形は椽の形や好み・使用場所などに合わせて使います。
たくさんの形があり、とても楽しいものがあるので載せてみます。
当社では現在使用していないものもありますが、ご参考のため…。
【構造】
胴体(骨組)の部分を上部に引き上げて、胴体(骨組)と足の部分が分かれます。
胴体に作品の保護のためにアクリル(両面or片面)が入っている場合があります。
胴体と足を固定するため、楔(クサビ)を打ち込みます。製造工程は襖製作の応用です。
~歴史について~
“衝立”という言葉の起源についての資料が乏しいのですが、奈良・平安時代の古書の中に僅かにみられます。
屏風と同様、宮廷や貴族の邸宅・寺院などで間仕切りとして使用されていたようです。
屏風=衝立=障子でそれぞれが独立した形として、認識されるようになったのは奈良時代以降のことです。
時代を経て、建築や生活様式の変遷により、現在の形に変化したようです。